ナゾホルよしのがり/特別史跡 吉野ヶ里遺跡の発掘調査

「謎のエリア」の発掘調査について

吉野ヶ里遺跡の中でも、江戸時代に創建された日吉神社があった場所は発掘調査を行っていなかったため、「謎のエリア」と呼ばれていました。
2022年、神社が移転され、佐賀県は「謎のエリア」の発掘調査を開始しました。

吉野ヶ里遺跡発掘調査

2023年4月、丘陵の頂部で石棺墓を発見しました。この石棺墓は、石蓋などに線刻が施されるなど、これまで吉野ヶ里遺跡で見つかった石棺墓とは異なる特徴を持ち、弥生時代後期の有力者の墓であると考えられます。
また、銅剣や銅矛の鋳型、坩堝(または取瓶)といった青銅器鋳造関連遺物が出土し、これまで判明していた吉野ヶ里遺跡の南部だけでなく、「謎のエリア」がある中央部でも青銅器生産を行っていたことが明らかとなりました。
さらに、古代の役所の存在を示す権(青銅製のおもり)や、日吉神社の造営時期を裏付ける鍋島焼が出土するなど、弥生時代以降もこの地が引き続き重要な場所として利用されたことが明らかとなっています。